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メタボリックシンドロームの予防に向けて(高血糖対策)

2025.10.01

メタボリックシンドロームの予防に向けて(高血糖対策)

メタボと糖尿病の深い関わり

健康診断で「血糖値が高い」と指摘されたことはありませんか?

――そんなあなたにこそ知ってほしいのが、メタボリックシンドローム(通称:メタボ)と糖尿病の深い関係です。メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加え高血圧・高血糖・脂質異常のうち2つ以上に該当する状態のことです。中でも高血糖はメタボと密接な関係にあり、メタボを放置すると、糖尿病の発症や重症化を引き起こすリスクが高まってしまいます。

早めの対策が肝心!~“糖尿病”という病~

日本では6人に1人が糖尿病の可能性があるといわれていますが、糖尿病とはどのような病気かご存じですか?

糖尿病は、主に肥満や不規則な食事、運動不足などの生活習慣が引き金となって発症します。乱れた生活習慣を続けていくと、膵臓から出る血糖値を下げるホルモンである「インスリン」がうまく働かなくなります。インスリンの働きが弱くなると高血糖状態が続き、代謝の異常が起こることで糖尿病を発症してしまいます。

糖尿病は、軽度な初期段階では気づきにくいという特徴がありますが、病状が進行して悪化すると合併症を引き起こし、足の切断や人工透析治療を要するなど日常生活にも大きく支障をきたしてしまうこともあります。さらに、糖尿病は他の生活習慣病である心筋梗塞や歯周病、認知症など多くの病気を併発するリスクも高めてしまいます。

このように、糖尿病は罹ってしまうと一生向き合い続けなければならない病気ではありますが、その一方で生活習慣によって防げる病気とも言われています。

高血糖を防ぐポイント

比較的簡単に取り組めることは、食事のとり方です。食事の最初に野菜を食べる「ベジファースト」は、食後の血糖値の急上昇を防ぐ効果があるとされ、近年この方法が徐々に定着し始めています。ベジファーストで大事なのは、野菜を最初の一口だけ食べるのではなく、野菜を先に全て食べきることです。また、よく噛んでゆっくり食べることで、糖の吸収を緩やかにでき食後の高血糖を防ぎます。

食事をとる際には、①野菜を先に食べきる②20分以上かけて食べる③しっかり噛むこと、この3つを意識してみましょう。食事を選ぶ際には、単品ではなく定食を選ぶようにする、炭水化物の重ね食べはしないなどの工夫も血糖コントロールには有効です。

加えて、欠食をしないことも重要です。例えば、朝食を抜いてしまうと朝に摂れなかった栄養を昼食でたくさん吸収しようとするので、昼食後の血糖値が上がりやすくなります。また、夜22時以降の食事にも注意が必要です。夜になると体が脂肪をため込みやすくなることに加え、糖代謝が落ちて、夜間の高血糖が続きやすくなり、糖尿病のリスクを高める原因にもなります。1日3食なるべく決まった時間に「炭水化物・タンパク質・食物繊維」のバランスを意識して食べるよう心がけましょう。

食事以外にも、禁煙、適度な運動、ストレス解消に努めること、睡眠習慣を整えることも血糖コントロールを行うためにはとても大切です。

健診結果は生活を見直すチャンス!

健診結果で血糖値を表す項目のHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は直近1~2か月の血糖の平均値を示しており、当日の食事や短期間の血糖値の影響を受けないので普段の血糖状態がわかる指標となります。健康診断は自らの健康状態を知る良いきっかけであり、検査結果は生活習慣を見直すための大きなヒントになります。日常生活の中でのちょっとした工夫で高血糖を予防できるので、できることから始めて良い習慣を続けていくことが身体に良い変化をもたらします。数年後、数十年後の自分をイメージしながら高血糖対策に努めていきましょう。

編集:株式会社ライフケアパートナーズ

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